shino_diary

日記と書評をすると思います。たぶん。

虎は死して皮を残し、人は死して「名」を残す。

 

動物や植物は世界中に生息していますがそれは人間も同じ。動物たちは彼らの群れの一部が死後、劇的な変化を世界に対して与えることはありませんが、人間はそうじゃない。

 

例えば近世の時代に建築された城というのは当時、防御施設や軍事拠点として機能していましたが、現代に入るにつれその機能は失われていった。しかしお城は現代においては戦争や軍事とは関係のない観光という形で日本国に経済的な利益をもたらします。(コロナ禍が終了すればきっと観光客は戻ってくるでしょうね)

 

こういった過去に誕生していながら現在にも影響を及ぼし続ける物や事というものの根本には必ず人間が関与している。では動物や植物が人間と同じようにそれができるだろうか。そんなことは(特殊な例はあるだろうが)不可能だ。

 

動物や植物の例でいけば、飼い主を長年待ち続けたハチ公や1000年以上生き続けた縄文杉といった例は「凄い」の一言しか出てこない。功績を残すまたは未来に影響を及ぼすというより、誰かに対し感動を与える。

 

名将、名君、名著、名人、名場面、名勝負、名建築・・・

 

人間はいつも過去からの連続で現在がある。過去を断ち切ることなんてのは無理なのだ。

 

人間の生きる意味は未来に生きる後進に対して何かを残すことなのかもしれません。